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お台場、ジャングルの弧島と、だまし絵の空。

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 湾岸のレインボーブリッジから南下の海に、全島緑に覆われた無人島がある。
 湾のぐるりは、高層ビルが林立して、闇を切り裂くおびただしい光を放つが、
 原生林の密生するその島だけ漆黒の闇だ。
 島には入ることは禁止されている。
 その面積2万平方メートル弱の変形五角形の孤島は、植物が乱舞、アシタバの群生、
 都心ではめったにみられぬ、タブノキやツクバネウツギが不気味な匂いを発散させ
 異様な雑木林をつくりあげている。
 ホラー小説の鈴木光司さんの「仄暗い水の底から」という短編集のなかの「孤島」の風景である。
 その島に、子を孕んだ若い女が裸で捨て去られたという。
 奇怪な話を聞いた主人公は気掛かりでならない。
 そんなところへ原生林の調査団が編成され、同行する。
 その密林を探索していくとほとんど「異界」としか思えない風景のなかで
 突然、広場に行き当たる。
 そこには、人が生息している気配がある。
 だれが、なんの目的で?
 疑問は膨らむ。巨大な東京湾岸は、湾という自然の生命体を
 ゴミや汚濁で痛めつけて膨張してきた。
 それら暗い出自の陸地を「現代」は息をのむような美しい光や輝きで彩る。
 水底の汚濁の上の偽れる虚飾か。
 浜辺の潮風に、ゆったりした気分でくつろいでいると、
 そんな、小説の提示する世界に刺激され妄想、幻想が浮かんでくる。
 ちょっと怖いぞ。
 まあ夜来るのはやめよう。
 湾の底から、暗い息ずかいをした、なにかがやってくる。
 そんなイメージを触発させる小説である。
 だが昼日中、光の乱反射する白い海面にたたずむ無人島は、
 緑のひと筆を佩いた、なかなか味わいのある島でもある。


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 一方、ぐるりと半円を描く「ゆりかもめ」の青海駅を降り、デッキを進むと、
 ショッピングモールの「ヴィーナス・フォート」がある。


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 お台場の北側に比べるとぐっと大人っぽい。
 孤島と対比的に、モロ人工を売りのモールだ。
 歴史的な欧洲を思わせる商店街が並ぶ。
 白い、彫像の群像が雰囲気を高める。
 見上げれば、フレスコ画のような、だまし絵の青空が広がる。
 空は短時間に、一日を圧縮した流れで変化する。
 全体の暗さは、西歐イメージを深める演出で、凝っている。
 「ウーン。」
 もともとこの湾岸の人工都市に、カジノを開こう、
 という構想があった。
 なかなか、カジノは実現しない。
 このモールは、ギャンブルなきカジノの風景としてつくりあげられた。    
 ラスベガスのホテル「シーザー・パレス」に併設されたショッピングモールを
 そのまま真似たもので、だまし絵の空もそのままだ。
 更に、マニアには、垂涎ものの、メガウエヴ・ヒストリーガレージがある。
 クラシックカー達がキラキラ光っている。

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 無人島から、だまし絵の街、
 面白い。
 空想や夢をはぐくむ異次元の世界。
 不安と恍惚を抱き合わせながら、
 孤島やフレスコ画の空は、日常的風景となってこのお台場に定着している。

 さて、美味いもの屋探しだ。
 お台場には、ホテルも、大規模なショッピングモールもいくつかある。
 和食、や中華などプライドで食わせる店もあるが、リーズナブルな店が多い。
 それぞれに、自分の好みで探せば、はずれることはなかろう。
 ヴィーナス・フォートで、風変わりなものを見つけた。
 news DELIのハニ—ト—スト・アイスだ。(写真)
 若者達には、好評のようだ。 
 ぼくは、有明に最近開いた店だが、木村屋(あのパン屋の)の工場に、
 併設したカフェ、レストラン「ドン・マイスター・プラス」のスペア・リブを食べる。
 息子は、すこし濃厚だね、というから万人むけではないかもしれないが。
 そこのプラスとは、工場直結で、焼き立てパンが、買えることだろう。

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