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代々木上原で、幻想を楽しむ。

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地下鉄千代田線、西に向かっていた。
向いの座席に親子連れがいた。
長い闇の中をゆく電車に、4~5才の男の子は退屈しきっていた。

代々木公園駅を過ぎたころ、父親が子供を抱き上げ、窓側に子供の顔を向けた。
その理由がわからず、子供は嫌がったが、電車にサッっと光が射し込んで、
地上に出た。父親は、光と出会う瞬間を見せたかったのだった。
子供はパッと明るい表情に変わった。
ぼくも予想しなかっただけに、この光の突然の到来は、心地よかった。

電車は代々木上原の駅に着いた。
南側に降りるとすぐ坂道になっている。
20年くらい前、よく車で行き来した井の頭通りに出る。
道幅も広くなり、すっかり景色も変わってしまった。

電車のガード方向を眺めていると
さっと白ずくめの人間が両手を大きく振ってゆき過ぎた。
「包帯人間?」


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瞬間、
この人間は、大通りにあった奇妙なトーチカのような建築物から現れた生命体ではないか。

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そんな馬鹿げたイメージを楽しんでしまった。
それにしても、のっけからヘンテコな生命体や、建造物にぶつかってしまったものだ。


街は一見して白っぽい。
ショーウインドウも看板も少ない、すっきりした街だ。
そもそもここは、坂道の多い落ち着いた住宅街。
そこに品のいいファッション系の事務所などある、静かな環境だ。
いきなり包帯人間とトーチカには驚いた。

ぼくの目的は、その静かな住宅街の散策と、古賀政男の記念館の見学、それに
東京ジャーミイ」でくつろぐことだった。
残念ながら古賀記念館は、休館日。
さっと、東京ジャーミイにゆく。


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そこは、イスラム教のモスク。
自由にお入りくださいと書かれてある。
大理石の階段を上がるとそこは、まさに異郷の風景。
イスラム文明の頂点ともいうべきオスマントルコの装飾様式をとりいれた華麗なモスクである。

結構大きくて、広い。
おずおずと、なかに入る。
なんと誰もいない。

ふかふかの絨毯にしばし、座りこむ。
窓のステンドグラスの模様が、ふとパリのノートルダム寺院のそれに似ているな、
などと思いながら、しばらく、モスクの内、外をうろつく。
あとで聞いたはなしだが、2000年にこのモスクを改築した時は、
トルコから、100人ちかい職人が集まり、壮大で、緻密な建築に携わったのだという。
時間がだいぶ過ぎたのに、誰もこない。
こんな凄い教会を解放し、自由に人を招き入れる太っ腹には、驚きを禁じ得ない。


住宅街を散策する。
やはり坂が多い。
なんの変哲もない、環境ではあるが、坂ののぼり、くだりが、変化をつけていて面白い。
坂道を腰に手を当てながら登ってくるおばあさんや、
買い物帰りの急ぎ足の主婦に道を尋ねると、みな親切にこたえてくれる。
家々を観察しながらゆくと、それぞれの家に微妙な工夫や表情があって興味深い。
ささやかでも、センスのある家は、そこから家族の顔も想像させて楽しい。

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そろそろ、帰るべく井の頭通りを、山手通りの方向に歩いていく。
みたことのあるビルがあった。
以前20才そこそこで、ITの会社を立ち上げた千葉麗子ちゃんを取材したビルだ。
ITといっても創成期だった。
しかも、アイドルの環境から飛び出して新ジャンルに挑んだ彼女に感心したものだった。
そのビルを見上げた。
オフィスは3階だったかな。


その隣にある、パンの店、「ルヴァン」に立ち寄る。
ここは、天然酵母と国内産小麦を使い、フランスの伝統的な製法で焼き上げるパン屋さんだ。
パン好きだったら、誰でも知っている有名な店だ。
隣接してカフェがあり、ピザや焼きたてのパンを食べさせる。

ウーン。
ピザを食べたかったが、夕暮れがせまってきたので、パンだけ買って
帰ることにした。


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