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ヨン様から「思い出ベンチ」までの日比谷。

1


「ヨン様の写真、撮ってきてエ。」
知り合いのおばさまの頼みである。
写真撮れ、っていっても、影か霞のように掴み難い有名人のことだ。
ナマ写真なんか撮れるわけはないよね。

タネを明かせば、
シャンテの合歓の広場にある、かれの手形のことなんだ。
自分で行って撮ってくりゃあいいのに。
しょうがない、出掛けた。

ヨン様の手形は金属のプレートだった。
女性群が、なで回すためか、かれのだけピカピカに光っている。
「撮ったよオ」

2


でも、ほら、後ろをみてごらん、おばあちゃんが、ゴジラの写真撮ってるじゃん。
おばあちゃんは「ヨン様なんか興味ねえよ」てな感じで夢中だ。
ゴジラが好きなんていう、おばあちゃんもいるんだね。


3

てなことで、今日の散歩は、なんか、ぐちゃぐちゃな展開になりそうだな。
ここシャンテには、ぼくのなじみの映画館があり、名画を上映する単館が三つある。
去年も、ここへせっせと通った。
「幻影師アイゼンハイム」や、「レスラー」など名画はここで観た。

4


シャンテの前は広場だ。なんかやってる。聞いたら、コンテナを幾つか集めて、
アートの展示や、ライヴやパフォーマンスをやる、という。
ライヴは、コンテナをステージにするようだ。
面白いアイデイアだと思う。
しかし、春にならないと、観客は吹きっさらしでつらいだろうね。


今日も寒いから、ガード下の「まんぷく食堂」で暖まってから、日比谷公園にゆくことにする。
「まんぷく食堂」は、知る人ぞ知る、昭和風庶民的な店だ。
今日は、スペアリブでいくか。
店内も、店外も「三丁目の夕日」だ。
通路側のレンガ塀には、石原裕次郎などの、古いポスターが、壁にへばりついている。
捨てがたいムードだ。


5
まんぷく食堂あたり


日比谷公園にゆく。
ここ静謐な森の陰に、昭和史を彩る、血生臭い種々のドラマがひそんでいる。
その、ひとつ、松本楼。
だれでも知っている店だから、くどくど述べないが、
店は2、26事件の恐怖や占領軍の接収、過激派の放火など
昭和史の暗部の洗礼を受けてきたレストランだ。


6
日比谷公会堂前の噴水

日比谷公会堂は、ご存知、浅沼稲次郎社会党委員長が右翼少年の、兇刃に倒れた場所だ。

亡くなった少年の住まいをみせてもらったことがある。
そこは右翼の赤尾敏氏の道場にある合宿所だった。
道場には、明治天皇と、キリストの大きな肖像が掲示されていたのが印象的だった。。
赤尾氏が、かれの居場所に案内してくれた。
質素な二段ベットの上段が、少年の寝床で、支柱に、白い花が供えられていた。
赤尾氏が、「ここで寝ていましたよ」と、ぽつりと言った。
愛された庶民派政治家の不幸と、思想に殉じた少年の悲劇をどうとらえたらいいのか、
混乱したものだった。


ちょっと、脱線したが、「思い出ベンチ」と名ずけられたベンチに急ごう。
ベンチは「寄付ベンチ」で、寄付した本人のメッセージが、プレートに書かれている。
それを読みたかったのだ。
噴水広場のまわりに、ベンチが沢山、並んでいる。
どんな、ことが書かれてあるのかな。

7
思い出ベンチ

どれどれ。
カップルらしい、メッセージがある。


「よく君とここへ来たね。」


フーンだ。

次は娘をもつ、お父さんだ。


「君と此処に座るのはどんなやつだろう。
 すこし寂しいけれど、楽しみだ。
 20才になった君に。ーー父より。」


くすぐったい、ナンチャってメッセージが多いなあ。

しかし、へらへら見てはいられないぞ。悲しいメッセージもある。


「ピータン、ピースケ、此処に遊ぶ」


ウーン。
亡くなった愛犬を偲んでのことだろうか。


「私達の娘 ○子へ
 うれしいとき つらいとき ここへおいで
 父 ○○ 母 ○○」


ジーンだ。
遺言めいたものに、感じてしまった。
ぼくも年齢だからなあ。


「それでは、また。 お散歩してきます」


これはまた、含蓄のある言葉だナ。
それでは、またーーーという言葉に、別れがひそんでいる。

太平洋戦争の学徒出陣だろうか。


「戦争中の木曜日、私は海軍省、○○さんは大学から、
 そして、別れ。私の心に日比谷公園を残した。」


ウーン。

さらに、つらいメッセージに、出会ってしまった。


「小島千代子へ
 あなたの笑顔を、もう一度見たい。
 元気でいてね。 お帰りを待っている。」


ぼくは、ここでもジーンときてしまった。
おい、思い出ベンチよ。
君は、こんな切なる人々の願いを必ず伝えてあげねばいけないよ。

驚くべきメッセージは、まだあった。


「領主の悪政を、徳川四代目家綱に直訴し、打ち首になった
 義民六人衆の精神を称えて」


と、ある。
ガーン。
義民の子孫か、ゆかりの方のメッセージだろうか、これには打ちのめされた。
一挙に太陽が沈んだ。
とぼとぼと、夕暮れの公園を後にした。

8
銀のプレートのメッセージ

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