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パリの香り、水辺の静けさ、「わが神楽坂」。

01
カナル・カフェ

神楽坂周辺だが、
二十騎町という町名を、聞いたことがあった。
歴史を感じさせる、
かっこいい町名だったのが印象に残っている。
仮に、なんの変哲もない男がそこへ住んでいて、
「よう!二十騎町の**さん」なんて呼ばれたら、
格がすこしあがったように思えるな。
町名恐るべし。
ちなみに、
わが友、K子ちゃんの住所は、冬木町だ。
K子ちゃんの、町名が、団子町とかだと、ちょっとつらいかな。

神楽坂をテーマにとりあげるにあたって、早速、この二十騎町から
スタートしてみた。

牛込柳町の地下鉄駅から、高級住宅街をぬけて、迷いながら、
なんとかその町に着く。
立て看板があった。
このあたり、江戸時代に、幕府御手先組、与力の屋敷地だったとある。

一組が十騎編成で、それが二組あったので、
ここを牛込二十騎町と呼んだのだそうだ。
黒い瓦屋根の落ち着いた家屋が、今風な家の間にチラホラ。
歴史を感じさせる空気感がある。
ぐるりと、そのあたりをゆくと、
なんと一角にスゴい建築の家があった。
ピーナッツを横にしたような、迫力のある建物だ。
写真でみたことがある、ポルトガルのファフェにある「石の家」に
そっくりな住宅だ。
通りすがりのクロネコヤマトの兄ちゃんに、訊ねると、
「ああ、峰さんのお宅ですよ。」
エッ?あのタレントの?
ーだった。


02
峰邸

ぼくも、こういう個性的な住宅は、好きだ。
だが、例のマコトちゃんハウスの騒動があっただけに
近隣の反応がどうなのか気になった。

そのまま、神楽坂方向ににむけてぶらぶら歩るいていく。
民家の連なる道路脇に、蛙が二匹で、盤を囲んでいた。
「ナニ、やってんのー」
いいじゃん、いいじゃん。
こういう、コミカルで、余裕のある環境作りは、だれがやったんだか、
恐れ入っちゃうね。
更に先をゆくと、玄関口にフクロウが、門番している。
いいね、いいね。

03
蛙の碁


住宅街のなかに、民家を改造したにショップがヒョコッとみつかる。
美容院の隣の路地、古びたしもた家の前に、靴屋さんの
建て看板があった。靴のアトリエ「ベルパッソ」と、ある。
野良猫の潜むような、薄暗い路地だ。
客を送りに出た美容院の女性に訊ねた。
「手造りの靴屋さんですよ。
木金土の午後だけやってるんです。」
フーン、
なんか、この靴屋さん、できそう。
更に先をゆく。
喫茶「ラ・ロンダジル」
完全民家なのに、二階が喫茶だ。
よどみなく、女性客が出入りする。
フシギ感がある。


04
靴のアトリエ ベルパッソ


神楽坂の商店街は、坂上まで距離的にも頃合いの散歩道だ。
脚力のあるカップルは、脇の路地を左右にジグザグにたどりながら丘を上る。
路地は、しっとりとした料亭、石畳の道、三味線の音。
別世界がある。
表の通りは、不二家のぺこちゃん焼きも健在で、甘味の紀の善もすごいビル建てた。
五十番の肉まん、野坂昭如や山田洋次などの、執筆宿「和加菜」、いままで神楽坂の牽引車だったこれらの店も元気だ。
しかし、行列をつくっているのは、喫茶軽食saryoとか、
大黒屋の焼き鳥、猫が”ウリ”の、まんじゅうカフェなどだった。
情報時代だけあって、若いひとの鋭敏な嗅覚は、おじさんちとチとちがうねえ。


05
神楽坂商店街

喫茶の「トンボロ」
建築家のこだわりのコーヒー店だとの評判を聞いた。
そこに立ち寄りたかったが、今日は急ぎ、
寺町の、作家、尾崎紅葉(1867~1903)の旧宅にむかう。
熱海の海岸に、学帽マントの男が、女を振り払っている
「金色夜叉」のお宮、貫一の像がある。
尾崎紅葉は、金の亡者と化した人々の物語を書いた。
残念ながら、かれは37才の若さで世を去った。
余程、無念だったのだろう。
臨終の枕辺で、七たび生まれ変わっても、
文学に情熱を注ぐという執念を洩らしたという。
彼の住居跡に、過ぎ去った時代の懐かしい、匂いを嗅ぐ。


06
尾崎紅葉の旧居


さあ、商店街に流れる、パリの空の下のメロデイに誘われて、
神楽坂でパリに浸ろう。
「ル・ブルターニュ」に立ち寄る。
ウッドデッキ、のオープンテラス。
ぼくは、この店のランチタイムの珍しい味、ガレットやシードルなどを食べた
ことがある。
本店が、ブルターニュで、これはあちらの伝統料理と聞いた。
ついでに、パリモードを探そう。
逢坂をのぼると、フランス人(らしい)の家族連れ二組と、行き違う。
神楽坂周辺に住むフランス人は多いようだ。
町の雰囲気が、彼らのメンタリテイに合うのだろう。
足は、日仏学院に向かう。
ありゃりゃ、本やさんも、レストランもあるぞ。
豊かな木々に囲まれた「ラ・ブラスリー」で、お茶や食事が楽しめる。。
ほかに、こんな学校、ありかなあ?

07
ル・ブルターニュ

08
日仏学院

付近にしゃれたアグネスホテルもあった。
道をへだてて、ホテル経営のパテイスリーの「ル・コワンヴェール」がある。
これもいい。
窓から広々とした視界が窺え、目の前の寺社跡のような、
「若宮公園」の静かな空間も贅沢だ。

豊かな気持ちに満たされて、外堀通りを歩るく。
春なのに、陽が落ちると、すこし寒い。
東京ボート倶楽部(1918~)の、ボートは一隻も動いていない。
そこのカナル、カフェにも、人がまばらだ。
ひとり静かになにか、もの思う人がいる。
太陽は、ひとつだけ聳え立つ超高層ビルに光をぶつけ、外堀の水の面に
淡い光を反射させている。

静かなりし、神楽坂である。


09
左「アグネスホテル」 右「ル・コワンヴェール」

10
夕暮れのカナル・カフェ

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