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原宿。ブラームスの小径から、ちいワンダーランドへ。

01
ブラームスの小径はお好き


かなり前のことだが、
ぼくのバンカー時代のこと。
東京オリンピックを控えた2~3年前、「穏田」と呼ばれた、今の原宿に住んだことがある。
その頃、竹下通りには、八百屋や、そばやなど商店はちらほらで、
表参道や交差する明治通りには、セントラルアパートというビルだけががめだつ、
あたりは静かな、住宅街だった。

セントラルアパートには、巨人の長島茂雄が住んでいた、とか石原裕次郎が、
「フランクス」とかいうレストランを開いたとか、仄聞したが、
あまり興味がなかったので、事実は、確かめた訳ではない。
僅か、ぼくがくつろげる店は、明治通りの、竹下通り口にあった喫茶店だけで、
そこへ立ち寄る以外に、あまり縁のない街だった。
マロンと、いったかな、店の名は。いま、ふいに思い出した。
そこは二階だったが、店の女の子が、「巨人軍のひよこの人たちがくる」といっていた。
二軍の選手のことだろう。
しかし、ぼくには、なじみのない顔ばかりだった。

その後ぼくは、カメラマンに転じ、雑誌社の命ずるままに、この街や人を
撮影したが、オリンピック後に出来たコープオリンピアにも、
よく文化人や、芸能人の取材にきた。
個人的には、アンテイークの店や食事処など、なじみの店もできたが、
この街は、商店の栄枯盛衰が激しく、あっという間にでき、消える。
竹下通りは、ご存知のような姿になった。
来訪者は、近県の女の子や修学旅行の高校生が、多いそうだが、
一方、裏原宿や、表参道などは、ファッション系や、
芸術志向の店や若者達によって、コクのある雰囲気を醸し出している。

02


竹下通り。

まあ、とにかく、ここの混雑はスゴい。
高校生の群れ、呼び込みの黒人たち、国内や、海外からの旅行客が、
ギンギンな店舗や、コスプレチックな女の子を眺めている。
ツーリストには、野外劇のように映るのか、興味深がげな、グリグリまなこだ。
「たまらん」
喧噪と雑踏の、この通りから逃げ出して、
ひょいと横道にはいると、人けのすくない、大人びた「ブラームスの小径」に出逢う。
緑の多い小径に、レンガの洋館や、アンテイークの店が数軒並ぶ。
この静謐さに、ウーン、深呼吸。
右手の坂上には、瞬間、モンマルトルの丘を思わせる空間もある。

03

ほんの僅かなエリアではあるが、ここは、至福の空間だ。
中心は、フレンチレストラン「ジャルダン・ド・ルセーヌ」。
この静謐な空間を構想した建築家が、この小径の生みの親。
小説家サガン(ブラームスはお好き)が好きで、
そのイメージをベースにこの界隈をつくりあげたのだそうだ。
ブラームスの像も店の角にある。
ボク的には、ここは原宿の、イチオしといきたい。

04


さあ、明治通りを横切って、次に急ごう。
なんだ、あんなに並んだH&Mも、フォーエヴァー21も、
ねーちゃん達、もう行列していないじゃん。

05
評判店の行列は消えた

オットと。
目の前に、先端ファッションが、いるぞオ。
中世ヨーロッパ風のおどろ、おどろした黒ずくめの
ゴスロリファッションってこれかァ、みーつけたー。
え、違うの?
そうでしょ。「ゴシックロリータ」


06
ゴスロリさん発見?

さあ、ちいさなワンダーランドへ行こう。
「デザインフェスタ・ギャラリー」だ。


07

ここは、ずうっと以前から、ぼくが立ち寄るところだ。
木造アパートの全館を、ポップなアートでデコレイトしている。
気分が高揚する、楽しいところ。
明るく、面白い企画で、一般に展示を開放している。
今回は、学生から、プロまで、「かわいい」をテーマに
いろいろオモロいことをやっている。
大人ももちろんだが、幼児も連れてってみて。
無料。

08

さあ、JR駅前に近い、「じょんがららーめん」で、からだあっためて、帰ろう。
二階の窓際の席で、表参道に面したコープオリンピアを眺めながら、そばをすする。

そういえば、この正面に「重よし」という割烹がある。
1981年の夏、台湾で事故死した向田邦子が、最後に外食した店だそうだ。
「明日から台湾にゆく」と、友人と二人で、ゆったりと、和食を楽しんだという。
この店に、彼女は、竹の柄の黒い傘を忘すれた、そうである。
忘れ物という些事ではあるが、消えてしまった、惜しい人を偲べば、
それすら印象的な出来事のようにも思われる。
そんな感慨をいだきながら原宿の駅にむかった。


09
コープオリンピア


10
重よし(1階にある)

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