« 〜漱石ハートにナビゲート3〜本郷、三四郎の恋。 | トップページ | 〜漱石ハートにナビゲート4〜硝子戸の中 »

明日はどっちだ。蘇る、あしたのジョー。

01_p1240414
映画あしたのジョー、ポスター


書店に女性誌のメンズ版が、ここにも、そこにも、あそこにも。
なんで?
ある株主総会で、中東の砂漠で現地の労働者を仕切る青年社員の苦悩を聞いた。
「いやぁ、死ぬ思いですよ。現地のことばと、かれらの働かせ方……」

国境紛争や、金融財政危機、それに北朝鮮はなにやってんだ。
ダイバーシティか、個別化か。
すべて、異和な現象が吹き出している。
底流には、太い怒濤の流れがあるのだろうが、いまはみえない。
個別の現象だけが、突き出している。
全体像や方向性は霞の中。
あしたはどっちだ。

山谷のいろは会商店街が、マンガ「あしたのジョー」を梃子に街おこしをやる、と聞いた。
行ってみようじゃないか。
このマンガ、この街を舞台に描かれている。
そこには、江戸時代から明治初期まで泪橋という橋があった。
小塚原処刑場にむかう罪人が、家族や知人と別れを惜しみ泪にくれた橋だ。
マンガにでてくるジョーの「丹下拳闘クラブ」はこの橋の下にあるという設定になっている。
高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや画によるボクシングをテーマの熱血マンガだ。
1960年代後半から「週間少年マガジン」に連載され、大人気を博した。
ジョーのライバル、力石徹がリングで死んだ時には、寺山修司らの手で、力石の葬儀がリアルに行われた。


02_p1240423
商店街の一角

03_p1240531
映画のセットのスチール。泪橋下

04_p1240395
現在の泪橋の交差点

05_p1240411
力石徹、ちば てつや画

世間が燃えていた。
もう過去の話だ。
それが、どこでどう間違ったか、出版社から本が再発行されるわ、来年2月11日から東宝系で、
山下智久、伊勢谷友介主演の映画が上映されるわ、でジョーをもう一度蘇らせようというのだ。
商店街では
尾藤イサオが、群衆にかこまれて主題歌を熱唱。


06_p1240451
熱唱する尾藤イサオ


お!そばやがある。
マンモス西も減量に耐えかねて、屋台のうどんをすすったが、この店にも来ただろうか。
丹下段平の道場を模したリングでは、子供もおやじもグラブを手に興じている。


07_p1240529
映画のセットのスチール

08_p1240430
そばやの前の人たち

09_dsc_0026
拳闘に興ずる

ジョーと段平が運命の出会いをした玉姫公園にいってみよう。
滑り台がひとつポツンとあるだけの荒涼とした公園である。
力石をリングで殺したジョーが、苦悩でのたうちまわるのもここだ。
いまは山谷も商店街も、昔の暴動の起きたような活気はない。
ドヤは、外国人バックパッカーの仮寝の宿にもなっている。
たむろしている、おじさん達もやさしく人なつこくなってしまった。
果たして街は、ジョーのパンチで、時代の鬱屈を打ち破れるのか。


10_p1240598
玉姫公園、ジョーの思い出が詰まる

11_dsc_0007
いろは会商店街


ジョーはつぶやく。
「そこいらの連中みたいに、ブスブスとくすぶりながら
 不完全燃焼しているんじゃない。
 ほんの瞬間にせよ、まぶしいほど真っ赤に燃え上がるんだ。
 そして、あとは真っ白な灰だけがのこる……」

最後にジョーは、世界最強のボクサー、ホセとの闘いにやぶれ、灰のように真っ白に燃え尽きた。
主題歌は、寺山修司が書き、八木正生が曲、唄は尾藤イサオだ。
寺山修司は、ジョーに自分の人生を重ねあわせていたと思う。
そして、そう生きた。
二章目。

親のある奴は  くにへ帰れ
俺とくる奴は  狼だ
吠えろ!吠えろ!吠えろ!
俺らにゃ  荒野が欲しいんだ
だけど  ルルルー
あしたはきっと  なにかある
あしたは  どっちだ

庶民としてのボクは、生きることは質だ、と判っていても、日常は怠惰な消費の連続に終わっている。


12_p1240419
あしたはどっちだ

|

« 〜漱石ハートにナビゲート3〜本郷、三四郎の恋。 | トップページ | 〜漱石ハートにナビゲート4〜硝子戸の中 »

僕的、都市ウオーク&おいしい。」カテゴリの記事

写真」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1150352/37962229

この記事へのトラックバック一覧です: 明日はどっちだ。蘇る、あしたのジョー。:

« 〜漱石ハートにナビゲート3〜本郷、三四郎の恋。 | トップページ | 〜漱石ハートにナビゲート4〜硝子戸の中 »