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幻影師は踊る。

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どこかで、チャイムが聞こえる。
17時だ。
瞬間、つめたい LED  の灯りが、ざあっと、あたりの闇を破る。
この LED のバケガク的なひややかさは、一瞬死の匂いがする。

「ホホウ!」
こんな仕掛けがあるなんて、
知らなかったらしい年配の通行人の夫婦は、
瞬時に出現した氷細工みたいな幻影に軽くのけぞる。
東京ドームからJR駅に抜ける人々は多い。
遊園地は、昼も夜も面白いナ。
だが、ぼくは、乗らず、喰わず、賭けず。
孤独な、散歩者には、眺めだけが十分なご馳走だ。
遊興マシーンに興ずる若者。
ウイークデーの冬じゃあ、カップルも暖まんないナア。
場外馬券売り場も、きょうの開催は草競馬だ。
やはり、土日の中央競馬とは異なる、お父さん達のうらぶれ感がいい。


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突然の点灯だ。

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遊園地は昼の如く。


再び、LED の幻想世界。
帰宅したら悲報が届いていた。
城内惠子さんの急死のしらせだった。
彼女は城内実議員の縁戚にあたる人だ。
じつは、わたしの実家が公共事業のため転居を余儀なくさせられていた。
書けばキリのない程、これには難問が待ち構えていた。
彼女は、ふらりとわれわれの前に出現し、あらゆる問題に解を与えて去った。
まるで、そのためだけの使命をもったかのように。
住まいが消滅し、また誕生する。
その面倒なすべて。
時期、条件、タイミング、あらゆる難問は彼女の振るタクトで、ハーモニーのなかに溶けた。
新しい住まいは、幕末から居をかまえた先祖の土地にちかく(祖先の土地は子孫が、友人の保証人となって失った)
そして、そこは父が住まうチャンスを逃した痛恨の思いの残る地域でもあった。
子孫は、彼女のアレンジでその「約束の地」へ戻ることになった。
家屋の問題だけではなく、家族の抱える難問も氷解への道筋がついた。
これら難問の解決を願いながら、
未解決のまま死んだ父が、城内さんを駆使しながら奔走し、
すべて「終了!!」と宣言して去ったかのような、明快な解だった。


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悲報が届いていた。

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2日前、(亡くなる当日だったと思われる)彼女から電話があった。
用件のついでに、
病む妹の処遇について私の考えるひとつの案を示し、彼女なりの判断を訊ねた。
「それが一番、良い方法だと思いますよ」
シンプルな一言だったが、
これも、ぼくは亡父のメッセージと読み取った。

城内惠子ーーー
それは、わたし達の前に現れた幻影だったのかもしれない。
そうであるならば、お父さん。
あなたは、わたしたち兄弟姉妹のしあわせのために演じて去った
彼女を操る、幻影師だったのではないですか。
ネ。
そうだったんでしょ?

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