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原宿。皇室駅あたり、風薫る。

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原宿、皇室駅


山手線、電車の窓外をボンヤリ眺めていると、
原宿駅の代々木寄りに、白い無人駅がポツンと佇んでいる。
まあ、そんな印象をもつほど、孤独な駅だ。
多くの人に知られているが、これは皇室専用のプラットホーム。
一時期、昭和天皇が、ご旅行の折ご利用されたと聞くが、最近は、
皇族の方々は、新幹線や航空機を直接ご利用になるようで、この白い駅は、ひとしお寂しげである。

きょうは、原宿竹下口の改札口をでて左折、その皇室ホームの静かな裏道を散歩することにする。
白いプラットホームのバックヤードには、お待合の貴賓室などあるらしく、
こんもりとした森のなかに、そこは一層静かな空間をつくりあげている。
かたわらの小径は、明治通りに向かい、裏通りの散歩道になっている。

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皇室駅、のホーム


コーヒー店のアンセーニュダングルは、この皇室ホームの森添いにある。
そして、皇室駅と一体で香ぐわしい風景をつくりあげている。
ぼくは、千駄ヶ谷3丁目に事務所を構えた70年代の終わり頃、
この店へ時折コーヒーを飲みに来た。
きょうも、地下のやわらかい日差しのこぼれる、
シックな雰囲気の窓際で、ゆったりと椅子に腰を沈めた。
客は、ボクひとり。

なんの雑誌だったか、泉麻人さんがこの店を紹介していた。
その時かれが飲んだのと同じメニューの
「琥珀の女王」という銘柄を注文することにした。

それはアイスコーヒーで、表面にクリームと少量のブランデーを垂らし、
ラリックのしゃれたグラスで、でてくる、とあったのが、印象に残っていたからだ。

でてきたそれには、麻人さんの説明に加え、
白いクリームの上に、ぽつんとひとつ黒い粒が浮いていた。
噛むと、それはよく炒ったコーヒー豆で、ふくいくとした香りが、口中に広がった。

「うーん。やるなあ」

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喫茶、アンセーニュダングル

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それは、地下にひっそり

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「琥珀の女王」


 ゆったりと、味わったちいさな贅沢は、この程度にして、
もといたボクの事務所の界隈をすこし歩いてみた。
付近には、お洒落なデザイン事務所や専門学校やファッションビルなどがあり、おしゃれな住民も多い。

そういえば、7~80年代、ぼくの事務所の近所のマンションに、
「ルパン三世」の作者、モンキーパンチ氏や、歌手の新沼謙治さんが住んでいたと聞いていた。

後日、雑誌の取材で、新沼さんに会ったとき、
「あのあたりのマンションに住んでいたでしょう。ぼくもすぐご近所にいたんですよ」
と話したら、
「そう、ぼく、住んでいましたよ。それは奇遇ですね。」
と笑った。

奇遇って、そうゆう意味なのって、思ったけど黙ってこの好青年の顔を眺めていた、
そんな当時のたわいもないやりとりを思いだした。

リクルートタイムスを編集していた西村茂樹さんが、
「すごい天才がでてきましたよ。ハブにらみという鋭い目つきをするそうで」
と、興奮気味で電話してきた。

すぐそばの将棋会館で、その羽生さんの若き頃の対局を撮影したこともあった。
やはり近くの幻冬社の付近で、殺害された英国人のルーシー、ブラックマンさんの
崩れるような質素なアパートを撮影に行ったことなども、いくつか、このあたりでの取材が思い出された。

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お墓を挟んだ、ファッションビルも

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デザイン事務所も多い

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居住される方も多い

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イトキンビル


思えば遠くへきたもんだ。
いや、時間が過ぎ去ったということです。
来た道をたどり、竹下口から、JRに乗った。
改札口で、振り返ると、商店街は、今日も若者たちであふれていた。
乗った電車が加速しだすと、
シャレた城のような建築物が窓外にぱっと現れた。
フイをつかれたが、かわいい絵のようだった。
ああ原宿らしいな。
ここは穏田と呼ばれた昔から、高層建築なんか似あわない街だからね。


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竹下通りは、若者で一杯。

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かわいいビル

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