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サムライ去って、品格なき人のワルあがき。

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 これまで、ビジネス雑誌や企業情報誌などで、多くの社長を取材してきた。
気合いのはいった社長が多かったが、なかには首をかしげたくなる人もいた。
かなり前だが、リクルートの社長としてスタートした江副さんと、大手石油会社の社長に
取材にいったことがあった。
もちろん石油のかかえる問題が焦点。
ところが、
話が、社長自身の仲人の自慢話しに終始し、経営論の態をなさなかった。
江副さんも呆れて、
「どう解釈したらいいでしょうか、禅問答みたいですねえ」などと、
一流会社の社長の、思わざる顔に、ニガリきっていた。

 最近TVで、福島県知事に叱られている東電の新旧社長の姿をみたが、なんとも
感想の述べようもない。
全宇宙的な危機。
経営の道には、かくも過酷な落とし穴が待ち受けていたことに愕然とする。
だが、
おびただしい数の社長を取材する過程で、経営者に経営手腕は当然だいじだが、
それにも増して、危機が到来した時、正しい人間的発露、品格が大切だなと、ボクは思い続けてきた。


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取材した社長さんたち

そういえば、
何代か前の東電の社長だった那須翔さんを、取材したことを思い出した。
日比谷公園で、おしゃべりしながら撮影して歩いた。
那須さんは、総務畑の経験が豊富で、人間への洞察の深い方とお見受けした。
若い頃からいつも社内外の難題処理に忙殺されていたと話していた。
言葉の端はしに、人への気ずかいを感じさせる方だった。
仮にいま東電の現職だったら、容赦ないメデイアの糾弾に
かれなら、どんな対応をされただろうか。


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那須さん

それにしても、菅さん、情けない。
要職にある人のもつべき哲学、人間力、品格。
それは言葉のちからによって発露される。
言葉のちからがあれば、、不幸のどん底にいてでも国民は奮い立つのに。
メデイアの糾弾の熾烈さもヒステリックなら、対するいまの総理の力のなさには、嘆め息をつくしかない。

 宮崎第一勧銀会長(当時)は品格のある経営者だった。
シーガイアの広大なヴューポイントで、理想や哲学を語ってくださったが、
宮崎さんは文化や芸術にも理解が深く、
「銀行も、多彩な個性の人が必要、小椋桂の採用もそのひとつ」と、その時音楽家の登用
の理由を話された。
話ははずみ、時の経つのを忘れさせた。

「宮崎さんのご自宅は、質素な家でしたよ。」
その時、同行したライターの小柳純二さんが、追加取材にお宅に伺い、その印象を伝えてくれた。
「宮崎さんが、これを幡谷さんに」と、なぜかテレフォンカードの束をプレゼントされた。
のちに、宮崎さんの経営上の責任をメデイアが、ヒステリックに責め、騒ぎ立てたことがあった。
いつものように、執拗に。
宮崎さんは、責任をとるべき、と考えられたのだろう。
自殺された。
宮崎さんなりの品格ある身の処し方だなと感じつつも、悔しかった。


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宮崎さん

多くの経営者におめにかかったが、ボクの個人的にご縁が深かったのはこの人だった。
橋本総業(株)の橋本会長だ。
管工機材のトップの企業家だ。

残念だが数日前、その会長の訃報を聞いた。
派手好きな会長らしく、品川の有名ホテルの一番おおきな会場でのお別れ会だった。
豪快で、人にやさしい、会長を惜しむ人々の長蛇の列ができた。


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橋本会長

会長とは、雑誌の取材でお会いしたのが最初だが、その時、話しが盛りあがった。
一カ月くらい経ち、会長から電話があった。
来てくれ、といわれ会社にいくと、突然、100周年の記念誌の製作をやれ、という。
「電通に決めかけたが、あんたやってくれ」
いきなり、一度会ったきりの人間に、普通はそんな大仕事を任せないだろう。
「冗談じゃないですよ。一匹狼のカメラマンに、そんな大変なことはできませんよ。」
資料整理、関係者取材、撮影、デザイン、印刷、等々、ひとりの手に負えるものではない。
しかも、予算も巨額だ。
しかし、いくら断っても、会長は強情だ。
そこまで、未知の人間を信用するのか。
「この人は、凄い人だ」
根負けして引き受けた。
そして、それをきっかけにボクは、ずるずるとこの剛胆で魅力的な会長にひかれて、
会社のいろいろなお手伝いをすることになった。
会社案内や、社内報の製作など引き受け、
最後には、採用や、広報にめくばりする顧問までさせられた。


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橋本、創立100周年記念誌

会長は、戦前の商船学校から海軍へと、筋金いりの海の男で、クル-ザ-を乗り廻す。
ものごとすべて即断、即決。

モットーは、
船での生活にこそ人間のありかたや経営の要諦があるという。

ヨットレースをみよ。
ヨツトは、風をうまく使い
レ-ス全体と自分の位置、勝負どころの判断が大切だ。
だが、
パ-トナ-と気持ちをぴったり合わせなければゼッタイ勝てない。
こころを合わせるという、ほんとうの意味がそこでわかるんだ。
ひとを大切に、というのは、空疎なスローガンじゃない。
会社組織もおんなじだ。

どっかの首相も、会長のツメの垢、煎じて飲んだらどうだ。

サムライが逝ってしまった。
だいじな人を喪った寂しさは、言葉にしょうがない。


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クルーザーの上で、会長と社長

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橋本会長

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