幡谷紀夫フォトギャラリー

メガロポリス。赤レンガ街の郷愁。

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東京駅から新橋駅まで、約3キロ。
鉄道の高架下に赤れんが街が伸びている。
100年を超える長い間、大震災や空襲をビクともせず生き抜いてきた。
現代建築の圧倒的な威容に囲まれ、押しつぶされそうになりながら、
ドッコイ頑張っている姿には、そこはかとなく共感を感ずる。
明治、大正、昭和の遺物的風景だ。
ぼくは、日比谷で映画をみた帰り、表通りを避けて
舗道も狭いのに、この通りを歩いて新橋のバス停に向かう。
この古ぼけた赤レンガの風景はなかなか悪くない。
半円の区画で汚れたレンガなので、店のデイスプレイも派手で、刺激的だ。
その立ち並ぶ全景も味がある。
直線に伸びる鉄道の高架下で遮るものがない。
遠近がくっきりし、夕方の逆光に沈む風景は叙情的ですらある。

この通りには酔っぱらいもいればホームレスも寝ている。
開放区ムードだ。
並んだ店は、いまどきのイタリアンもあれば、回転寿司もある。
居酒屋は勿論、シャレた小料理屋もある。
いずれも、気安く入れるのは、
店みせが、ふるぼけたレンガの穴ぐらだから、だれでも安心するのだろう。
ぼくは、ここを通る時、

ーー悩み忘れんと 貧しき人は唄い
  狭い路地裏に 夜風はすすり泣くーー

と「夢淡き東京。」という唄がなんとなく浮かんでくる。
別に、このあたりが寂寥感がただようというわけではない。
ただ風景に連鎖したいいムードの曲だな、と感ずるのだ。
貧しき人は唄い、か。
なんとなく貧しさや世知辛さのムードの唄は、酒の肴によくあう。
終点に近い、新橋烏森口に至ると、ちいさな映画館などもあって郷愁は
頂点に達する。


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ホルモン亭

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イタめし屋。すっきり伸びた風景。

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喜多方ラーメン

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タクシーの基地もある

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二階の窓。はて?内側は

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シャレた小料理屋もある

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ホームレスも寝ている

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古い酒屋もある

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夏はオープンテラスで一杯

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古い映画館だがリニューアル

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メガロポリス〜汐留シオサイト、迷宮の快感〜

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汐留シオサイト。
新宿、六本木など、拠点都市の高層ビルが林立するなかで、汐留はそれらと
かなり異なる個性的な風景をもつ。
未来都市的なデザインで美しい。
それに都市の構造が迷宮のように複雑なので、
散歩していると、ゲームに嵌まったような快感にしびれる。
新宿西口の整然とした区分の都市とは違い、
ここは、巨大なビル群が不規則に広場や空間で連結しているので、
迷宮にさまようような快感を感じさせるのだ。
ぶらぶらしていると、コンクリートと鉄でつくられた胎内に、ゆったり揺れるような
安堵感を覚える。
ここは、31ヘクタールの旧国鉄跡地を大規模開発し、13棟の超高層オフィスビルや、
4つのホテルで成り立つ街で、11の街区がある。
イタリアの街を模したコンセプトの街区もあって、リーズナブルなイタリアンが味わえる。
カレッタ汐留を中心に数多くのレストランやショップがひしめく。
ビルの上層階から、浜離宮恩賜公園を眺めるのも楽しい。
集客の中心は、情報、エンターテイメントの日テレタワーや、劇団四季の劇場「海」やミュージアムなど併設の電通ビルだろう。
日テレ、ビルの宮崎駿デザインのからくり大時計も楽しいが、周辺のすすきの繁る空間が
フシギ感を覚えさせる。
昼日中の人の気配のない、モノレール駅や他のビルに連結する、
長い空中回路を見渡すと、ふと、ここは未来の田舎の風景ではないか、と錯覚する。 


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テレ大時計

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日テレ広場

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通路

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ビルの間のひまわり

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汐留シオサイト

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公園

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海を眺める

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浜離宮恩賜公園

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イタリア街

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イタリア街

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メガロポリス〜湾岸残照〜

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ぼくは、川べりに生まれ、育った。
いまも、川のみえる所に住んでいる。
この写真のあたりは、隅田川が、東京湾と融合する接点である。
美しい風景というわけではないが、
日中の平凡が、夕暮れにドラマテイックに変幻する。
光と闇の織りなす気配が、心地よく、ぼくを引き止める。
伝書鳩のように、すぐ自宅に帰りたがるぼくが、唯一、意味もなくうろうろするのは、ここだ。
この夕暮れの水辺が、なんとない荒廃感のただよう
寂しい風景で、それが根っから好きだからだ。


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